難発(吃音)・エッセンス

難発が生じる理由

ことばを聴こうとしてどもってる?

話そうとして言葉が詰まるのは、話すときに、自分の口から出る言葉(音)に注意が集中していることが原因です。

言葉を意識すると、話すときその言葉に注意が向かうようになります。口から出る言葉は音ですから、話すとき口から出る言葉に注意が向かうとは、自分の口から出る音を聴こうとする、ということです。※

話そうとする一方で口から出る(はずの)言葉に注意が向かっていれば、それは、話すことと聴くこととを同時に行おうとすることで、話そうとする言葉は詰まってしまいます。※※

要するに、話すとき、自分が話す言葉を聴こうとすると聴こうとした部分の言葉(音)が詰まるということです。

話そうとして言葉が詰まって出てこないため、本人は話そうとして言葉が詰まっていると考えますが、実際には、意識して言葉を口にしようとしているために(あるいは、自分の発話に注目しているために)自分が話す言葉(音)に注意が向かい、口から出る言葉(音)を聴こうとして詰まっているのです。

口から出てくる言葉は話すときの思考です。
吃音の出にくい相手や場、出ても吃音が少ない相手や場では、すんなり話せている部分はそのとき自分が話すそれらの言葉を気にしておらず、言葉(音)に注意が向かっていないのです。思考(考えていること)が展開する通りに言葉が出てきているのです。自分の言葉のことではなく、相手に伝えたい事や、相手の話を受けて自分が思うところを考えているのです。つまり、"声に出して「考えている」"のです。

 

※聞こえてくるの「聞く」ではなく、関心を持って耳を傾ける方の「聴く」です。

※※
言葉は(話すときの)「展開する思考」です。その思考が展開できないのは、口から出る音に注意が向かっているため、脳で「口から出る音(=耳から聞こえてくる音)」=「(言葉になる)思考」の状態/関係になっており、口から音が出なければ考えることができないからです。

考えることができないと口から音(言葉)は出てきませんから、上の状態のまま話すことはそもそもできません。口から出る音に注意が向かっているため、(言葉になる)思考がせき止められ、思考の展開によって始まり姿を変えていく発話運動もせき止められている状態なのです。

その状態のまま無理に話そうとしても、言いはじめの音のかけらは出てきても言葉は出てきません。

この状態は簡単に言うと、耳から聞こえてくる「音」(自分の声)で考えよう(=話そう)としている状態です。

 

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吃音・エッセンス

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